社寺建築の原寸(現寸)
社寺建築の原寸とは、設計図をもとに、屋根の曲線や各部の納まりを実物と同じ大きさで描いて確かめる作業です。縮尺図では読み取れない軒の反りや垂木の配り、組物の取り合いも、実寸で描くことで初めて納まりが見えてきます。
確認が済んだ原寸図は、薄い板などに「型板(定規板)」として写し取られ、墨付けや木材加工の基準になります。社寺建築は同じ寸法の部材がほとんどなく、一本ごとに微妙な反りや歪みがあるため、この工程が仕上がりの精度を左右します。
こうした原寸作業は、昔から宮大工の腕の見せどころとされてきました。柱径を基準に各部の比率を決める「木割」や、隅木・屋根勾配を幾何的に導き出す「規矩術」といった伝統の技が、原寸の場で生かされます。
近年は、CADで検討を行うことが増え、原寸図を描かない工務店も多くなりました。なお、ごく特殊な例として、建物の正面を板張りの大壁面に起こし絵として描き、「看板化」して全体の釣り合いを確かめることもあります。











