阿蘇神社 御札所新築工事
熊本地震により倒壊した楼門・拝殿等の復旧工事に当たり旧御札所は移設、透塀に関しましては一部解体を余儀なくされました。旧御札所に関しましては昭和3年の造営ということもあり、この度新たに造営する運びとなりました。
竣工:2024年12月20日
<仕様>
【御札所】
木造平屋 床面積:89.67㎡ 27坪 高さ:5m
材種:国産桧
屋根:銅板一文字葺き 軒反り、起り屋根
壁 :漆喰
腰壁:銅板菱貼り
天井:待合室 竿縁天井 桧
札所 竿縁天井 杉
バックヤード・倉庫 平天井 台湾桧
【透塀】
全長:約100m 高さ:楼門際 2.8m、その他 2.1m
材種:国産桧
屋根:銅板一文字葺き
<特徴>
・くまもと型伝統構法による、伝統木造建築とし、限界耐力計算により、耐震性を確保している。
・軒を深くし、雨・雪による建物の老朽化を防ぐと共に、参拝者の利用の際に雨や日射を防げるよう、軒の出を西面2.7m、その他1.8mとしている。伝統木造建築の特徴である桔木を用いてテコの原理で軒先を支えている。
・拝殿鳥居の解体材を次の部分で再利用している。
待合室の中央柱…拝殿の柱 (台湾桧)
授与カウンター板…鳥居の貫 (杉)
バックヤード・倉庫の壁・天井板…拝殿の床板・虹梁・柱 (台湾桧)
・カウンター下の腰壁は傷みを防ぐため、銅板菱貼りとしている。
北面は伝統文様の銅板飾り貼りとした。(麻の葉、青海波、網代)
・楼門と還御門の間に建つことから高さを抑えるために寄棟にしている。
・釘隠しは消防署や警察書の紋章を造るメーカーに依頼して磁器製で製作している。
耐久性が有り、美観も良い。
・緩やかな曲線を描く屋根と、西面の軒を延ばした隅部分の納まりに伝統的な宮大工の卓越した技術が生かされている。
・透塀は楼門、還御門、神幸門が際立つように、棟高さを低く抑えている。また、石垣下から見たときに圧迫感がないようにしている。
位置は旧透塀と同位置としている。